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税務会計業務のポイント

第72回 「役員の登記に関する改正と役員報酬の決定」

役員の就任・辞任・重任は登記事項になっています。平成27年2月に商業登記規則等の一部を改正する省令が公布され登記に関して一部改正が入っています。
この時期、株主総会も終わり、新役員人事が行われ、役員の報酬の改定などが行われることが多く、今回は役員に関する改正事項、報酬決定にあたっての注意事項について確認します。

1.役員の登記事項の改正について
役員の登記(取締役・監査役の就任,代表取締役の辞任)に関して、添付書面の改正がおこなわれました。
今後は、登記にあたっての本人確認書類の添付が必要とされることになります。



http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00085.html

2.役員報酬について
法人税では、役員報酬等のうち次に掲げるいずれかに該当するものを経費として認めています。ただし、次に掲げるいずれかに該当するものであっても不相当に高額な部分の金額は経費として認められません。
① 定期同額給与・・・毎月の支給額が同額である報酬
② 事前確定届出給与・・・支給時期・支給金額をあらかじめ定めて
  その内容を税務署長に届出た賞与
③ 利益連動給与(有価証券報告書の提出会社のみ支給可能)
  ・・・利益に連動して支給する賞与
このうち最も多い定期同額給与と事前確定届出給与について解説します。

■定期同額給与
定期同額給与とは、役員報酬等のうち、毎月の支給額が事業年度を通じて同額であるものをいいます。
なお、事業年度の途中で金額が改定された場合、その改定が次に掲げるいずれかに該当し、かつ、その改定前後の支給額がそれぞれ同額であるものは定期同額給与に該当します。
① 事業年度開始の日から3月以内に行う支給額の改定
② 職制上の地位の変更や職務内容の重大な変更等に伴う支給額の
  改定
③ 経営が著しく悪化したことに伴う支給額の減額改定



■事前確定届出給与
事前確定届出給与とは、役員報酬等のうち、株主総会や取締役会で支給金額を事前に定め、かつ、一定の期限までに税務署長に対して届出書を提出したものをいいます。



■事前確定届出給与に関する届出書の提出期限
届出書の提出期限は、次の①と②のいずれか早い日までとされています。

① 株主総会の決議により、役員報酬等に関する定めをした日から
  1月後までの日
② その事業年度開始の日から4月以内の日


職制上の地位の変更や職務内容の重大な変更等の事由が生じた場合には、その事由が生じた日から1月後までの日に届出書を提出することで、当初定めていなかった役員報酬等の支給を新たに予定することや、既に定めている役員報酬等の支給額を変更することが出来ます。

■Q&A

Q1.
非常勤の取締役や監査役に対して半年毎に支給する報酬等は、定期同額給与に該当するでしょうか。それとも事前確定届出給与に該当するでしょうか。

A1.
届出を提出することで事前確定届出給与に該当します。
定期同額給与として認められるためには、その支給が1月以下の一定の期間ごとに行われる必要があります。したがって、半年毎に支給される報酬等は定期同額給与に該当せず、その支給額を経費とするためには事前に届出書の提出が必要となります。
ただし、同族会社以外の法人が定期給与を支給しない役員に対して支給する報酬等については、届出書を提出しなくともその支給額を経費とすることが出来ます。

Q2.
事前確定届出給与として税務署長へ届出を行っています。届出を行った支給額と異なる金額で支給してしまいました。この場合どのようになるでしょうか。

A2.
届出た支給額と異なる金額で支給した場合、支給額の全額が経費として認められなくなってしまいます。



Q3.
上記Q2のケースで、ある役員には届出どおりの支給額で支給し、別の役員には届出を行った支給額と異なる支給を行ってしまいました。この場合、全員が経費として認められなくなるのでしょうか。

A3.
届出通りに支給した役員に対する報酬等については経費として認められますが、届出書と異なる支給を行った役員に対する報酬等は経費として認められません。

Q4.
使わなくなった社用車を役員へ贈与することを検討しています。このような金銭ではない現物資産を支給する場合も給与等に該当するとのことですが、事前確定届出給与の対象になるのでしょうか。

A4.
事前確定届出給与は、支給額が事前に確定している報酬等を対象としています。したがって、現物資産による支給など事前に支給金額が確定していないものは対象となりません。

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バックナンバ

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第123回「海外進出時の税務上のポイント」
第122回「民法改正(相続編)の概要と施行時期」
第121回「節税目的の定期保険等の通達改正について」
第120回「消費税率引き上げ直前の確認事項」
第119回 「役員給与に関する税務のポイント」
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第106回 「相続対策で重要な3つの対策」
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第102回 「平成30年度 税制改正(速報)」
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第92回 「(確定申告特集)マイホームの譲渡所得について」
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第90回 「平成29年度税制改正について」
第89回 「ふるさと納税と義援金」
第88回 「平成28年「年末調整」の留意事項について」
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第86回 「税務調査関連の改正について」
第85回 「租税条約の基礎と実務上の留意点」
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第82回 「適格請求書等保存方式(インボイス方式)の導入について」
第81回 「平成28年4月から始まる新税制」
第80回 「平成28年3月決算の申告ポイント」
第79回 「平成27年確定申告のポイント」
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第74回 「国境を越えた役務提供に係る消費税」
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第65回 「生産性向上設備投資促進税制の特別償却と税額控除のどちらを選択するか」
第64回 「平成28年1月より適用されるマイナンバー制度に備えて」
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第52回 「消費税増税に対応する販売戦略について」
第51回 「10月1日、8%消費税増税が決定。同時に税制改正大綱も発表されました。」
第50回 「外国法人・非居住者に対する支払と源泉徴収義務」
第49回 「新年度から適用が始まる法人税制 その3」
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第41回「2013年から始まる復興特別所得税
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